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新電力のメリット・デメリットを徹底解説|選び方と注意点も紹介

中村 亮介 / 更新:2026-06-19
新電力のメリット・デメリットを徹底解説|選び方と注意点も紹介
「新電力に替えたら本当に安くなるの?でも倒産とか高騰とか、なんだか不安」——私が乗り換え相談で一番よく聞くのがこれです。結論から言うと、新電力は使い方次第で電気代が下がる一方、市場連動型プランや解約金など見落とすと損をする落とし穴もあります。

私は電力・ガスの取材を11年続け、自宅でも電力会社の乗り換えを何度か経験してきました。約款や料金シミュレーターを自分で叩いてきた立場から、得する人・やめておいたほうがいい人の線引きを正直に書きます。

この記事でわかること:新電力の仕組み、メリットとデメリットの実際、市場連動型の危うさ、オール電化や賃貸での適合性、失敗しない選び方と乗り換え手順。慎重に判断したい人ほど読んでほしい内容です。

新電力とは?仕組みと電力自由化の背景をわかりやすく解説

新電力の闇について教えます…|新電力会社・電気代節約・再エネ賦課金・補助金・市場連動型
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まず土台から。新電力とは、地域の大手電力会社以外で電気を売る「小売電気事業者」のことです。2016年4月の電力小売全面自由化で、家庭でも自由に選べるようになりました。

新電力(新電力会社)の意味と従来の電力会社との違い

従来は、住んでいる地域の電力会社としか契約できませんでした。今は契約相手を選べる。これが一番大きな違いです。

ただし誤解してほしくないのは、電気そのものの品質は変わらない点。新電力に替えても、流れてくる電気は同じ送電線を通ってきます。

電力自由化の背景と発送電分離の仕組み

電気は「発電」「送配電」「小売」に分かれています。このうち送配電網は、今も地域の一般送配電事業者が一括で管理する仕組みです。新電力が自前で電線を引くわけではありません。

つまり、どの会社と契約しても電気を運ぶ道は共通。だから停電のしやすさも変わらない、という理屈になります。

新電力が注目されている理由

理由はシンプルで、選べるようになったから。会社ごとに料金やセット割、ポイント還元が違い、自分の生活に合うプランを探せます。

登録されている小売電気事業者の数は、資源エネルギー庁の一覧で確認できます。事業者は増減するため、最新の掲載を見るのが確実です。

新電力の主なデメリットと注意点

正直に言うと、私はメリットより先にデメリットを読んでほしい。安さばかり強調する記事が多いですが、つまずくのはたいてい注意点を知らなかった人です。

新電力の主なデメリットと注意点

電力会社・料金プランを選ぶ手間がかかる

これは地味に効きます。会社もプランも数が多く、比較し始めるとキリがない。料金単価だけ見て決めると、後述する燃料費調整で見込みが狂うこともあります。

電気代が高くなるケースがある

新電力に替えれば必ず安くなる、は嘘です。使用量が少ない世帯や、基本料金の構成によっては今より高くなることもあります。

電気料金は「基本料金」「電力量料金」「燃料費調整額」「再エネ賦課金」で構成されます。特に燃料費調整額は会社やプランで扱いが違うため、見かけの単価だけでは比べられません。

電気料金を構成する4つの要素
項目内容比較時の注意
基本料金契約容量に応じた固定費。0円のプランもある定額か従量かで損益分岐が変わる
電力量料金使った分だけかかる単価段階制かフラットかを確認
燃料費調整額燃料価格に連動して増減する調整分会社ごとに計算が異なり上限の有無も別
再エネ賦課金全国一律で年度ごとに変わる会社では下げられない

再エネ賦課金の単価は毎年度見直されます。固定額として書く記事を見かけますが、最新の公表値を確認してください。

乗り換え時に解約金・違約金が発生することがある

解約金ありのプランは実在します。ただし「新電力は必ず違約金がかかる」は誤り。有無も金額も会社・プランで全く違います。

判断材料は約款と重要事項説明書だけ。私は申し込み前に必ずここの解約条項を読みます。広告ページには小さくしか書いていないことが多いからです。

倒産・事業撤退のリスクと最終保障供給の仕組み

新電力の倒産や撤退は実際に起きています。ただ、契約先が消えても電気が即止まるわけではありません。

一般送配電事業者による「最終保障供給」などの制度があり、次の契約先が決まるまでの供給が用意されています。慌てて電気が消える、という心配は不要です。ただし放置せず、早めに別の会社へ切り替える必要はあります。

新電力の主なメリット

ここからは良い面。条件が合えば、乗り換えの手間に見合うリターンはあります。

新電力の主なメリット

自分に合った料金プランを選べる

夜に電気を多く使う人向け、ガスとセットでお得になるプランなど、選択肢が増えました。生活リズムに合わせて選べるのが自由化の本質です。

電気代が安くなる可能性がある

使用量の多い世帯ほど、単価の差が効いてきます。前述の4要素のうち電力量料金が安いプランに当たれば、年間で数千円〜数万円下がることも珍しくありません。

ただし「可能性がある」止まりです。私は必ず直近の検針票を手元に置き、実際の使用量で試算してから判断します。

セット割や独自サービス・特典を受けられる

ガス・通信・ポイントとのセット割は、新電力ならではの強み。電気単体では大差なくても、合算で見ると得になるケースがあります。

逆に言えば、セット割は「他のサービスを縛られる」ことでもある。私はそこを冷静に見ます。通信を乗り換えにくくなるなら、割引額と天秤にかけるべきです。

簡単に乗り換えられて電気代も確認しやすい

手続きはほぼウェブで完結し、工事も基本的に不要。多くの新電力はマイページで使用量や料金を日割りで確認でき、節電の効果が見えやすくなります。

市場連動型プランの落とし穴と過去の高騰事例から学ぶ注意点

新電力とは?新電力の仕組みとメリット・デメリット・よくある質問を紹介|2022年12月
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ここは特に慎重に。私が「安易に勧められない」と感じている領域です。

市場連動型プランとは?仕組みと価格変動リスク

市場連動型は、電力卸市場の価格に合わせて電気代が上下するプランです。市場が安いときは恩恵が大きい。逆に高騰すると、請求がはね上がります。

電気料金は燃料費や需給で動きます。固定単価のプランと違い、上限がないタイプは特にリスクが読みにくい。

過去の電力市場高騰で何が起きたか

過去には卸電力価格が急騰し、市場連動型の利用者に高額な請求が届く事態が起きました。「安いはずだったのに」という後悔の声は、このタイプに集中します。

料金は使用量とプラン次第で高くなることがある、という資源エネルギー庁の前提は、ここに端的に表れます。

市場連動型が向く人・避けたほうがいい人

私の見立てはこうです。市場価格を日々チェックして使用を調整できる人、急な変動に家計が耐えられる人には選択肢になります。

市場連動型プランが向く人・避けたい人
タイプ向き不向き理由
価格を毎日確認し使用を調整できる人向く安い時間帯に使えば恩恵を取れる
毎月の支出を一定にしたい人避けたい高騰月に請求が急増する
小さな子どもや高齢者がいて節電しづらい家庭避けたい使用を抑えにくく高騰の影響を受けやすい

迷うなら固定単価型から始める。これが私のスタンスです。

住宅タイプ別の適合性と乗り換え前のチェックポイント

「うちでも使えるの?」という不安に答えます。住まいによって注意点が違います。

住宅タイプ別の適合性と乗り換え前のチェックポイント

オール電化住宅での注意点

オール電化は夜間の電気を多く使うため、専用の時間帯別プランと相性が深い。安易に一般的な新電力プランへ替えると、かえって高くなることがあります。

オール電化向けプランを扱う新電力は限られます。今の時間帯別単価と比べてから動くべきです。

賃貸・マンションで利用できるか

賃貸でも、電気を自分名義で契約していれば乗り換えできます。基本的に大家さんの許可は不要です。

例外は、建物全体で電気を一括契約している「高圧一括受電」のマンション。この場合は個別に新電力を選べません。自宅が該当するか、管理会社に確認してください。

スマートメーター設置の要否と工事・費用

新電力の契約には、使用量を細かく計測するスマートメーターが必要です。まだ旧式の場合は交換になりますが、原則として立ち会い不要・追加費用なしで進むのが一般的です。

送配電は地域の一般送配電事業者が担うため、メーター交換もそちらが対応します。新電力に替えたから停電が増える、という説明は仕組み上ありません。

失敗しない新電力の選び方

私が乗り換え相談で必ず確認する順番で並べます。この4つを押さえれば大きな失敗は避けられます。

失敗しない新電力の選び方

提供エリア内か確かめる

会社によって供給エリアが限られます。まずは自分の住所が対象か。ここを飛ばすと申し込みで弾かれます。

料金プランが自分の使用量に合うか確認する

検針票で直近の使用量(kWh)を見て、シミュレーションに入れる。基本料金の有無、電力量料金の単価、燃料費調整の扱いをセットで比べます。単価だけ見て飛びつかないこと。

解約金の有無や相場を調べる

将来また乗り換える可能性を考え、契約期間の縛りと解約金を先に確認します。重要事項説明書のここだけは、面倒でも必ず読んでください。

乗り換えで後悔した人の事例から学ぶ

取材で多かった後悔は3つ。市場連動型で高騰月に請求が跳ねた、セット割の縛りで他サービスを変えにくくなった、解約金を見落として乗り換えで損をした。

どれも「契約前に約款を読めば防げた」ものばかりです。逆に言えば、ここさえ押さえれば後悔はかなり減らせます。

新電力に乗り換える手順と切り替えのタイミング

楽天でんきのメリット・デメリットを小売電気アドバイザーの三浦が解説
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手続きはシンプルです。私が自宅で乗り換えたときも、ネットだけで15分ほどで終わりました。

必要な情報を準備する

手元に検針票か今の電気の請求情報を用意します。供給地点特定番号、お客さま番号、現在の契約プランがわかればスムーズです。

ウェブなどで申し込む

新しい会社の申し込みフォームに入力するだけ。今の会社への解約連絡は、原則として新しい会社が代行してくれます。自分で旧会社に電話する必要は基本ありません。

電気の使用を開始する

スマートメーターが入っていれば工事は不要。切り替え日になると自動で新会社からの供給に移ります。生活上、何かを操作する必要はありません。

切り替えにかかる期間と二重請求の心配

申し込みから切り替えまでは、おおむね次回以降の検針日が目安です。即日ではない点に注意してください。

二重請求の心配はほぼ不要です。検針日を区切りに旧会社と新会社の請求が切り替わる仕組みのため、同じ期間を二重で取られることは原則ありません。

新電力のメリット・デメリットに関するよくある質問

相談でよく出る質問を、事実ベースでまとめます。

新電力のメリット・デメリットに関するよくある質問

よくある質問

電気代がいきなり高くなることはある?
固定単価型なら通常、いきなり跳ねることはありません。注意すべきは市場連動型です。卸電力価格に連動するため、市場が高騰すると請求が大きく増えることがあります。料金は使用量とプラン次第で高くなる場合があると資源エネルギー庁も示しています。
乗り換え時に二重請求される?
原則ありません。旧会社と新会社の請求は検針日を境に切り替わるため、同じ期間を二重に請求される仕組みにはなっていません。万一おかしいと感じたら、検針票の対象期間を確認してください。
新電力だと停電が起こりやすくなる?
なりません。電気を運ぶ送配電網は、契約先にかかわらず地域の一般送配電事業者が管理しています。停電時の復旧もそちらが対応するため、新電力に替えても停電のしやすさは変わりません。

最後に私の本音を。新電力は「使用量が多めの世帯」「セット割をフル活用できる人」には素直に勧められます。一方、市場連動型を毎月の支出を一定にしたい家庭に勧めることはしません。まずは検針票を一枚手に取り、自分の使用量で試算するところから始めてください。

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中村 亮介

エネルギー系メディア編集部出身・フリーランスライター ・ 自宅(一戸建て)での電力・ガス乗り換えを複数回経験済み
エネルギー取材歴11年

エネルギー関連の取材・比較記事を10年以上手がけてきたライター兼編集者。各電力・ガス会社の約款や料金シミュレーターを自ら検証しながら、実際に乗り換え経験のある読者へのヒアリングをもとに記事を書く。

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